これは、以前当ブログにて取り上げた記事に関して、ひとつの答えというか予測が示されたものと受け止めます。
(京都新聞サイトから↓)
琵琶湖面の2割汚染 滋賀県、福井で原発事故想定
滋賀県は、福井県で原発事故が起きた際の琵琶湖への放射性物質の影響を初めて詳細に予測し、18日発表した。気象条件が最悪の場合、湖面の2割が飲料水基準を超える濃度で約10日間汚染されることが分かった。水道原水の基準はないが、琵琶湖は滋賀、京都、大阪、兵庫の4府県約1450万人の水源で、水道水に影響を与える恐れがある。放射性物質は浄水場で一定除去できるが、県は今後、実際の除去率の調査や対策を検討していく。
県地域防災計画の見直しで県琵琶湖環境科学研究センターが予測した。大飯原発か美浜原発で福島第1原発と同規模の事故が起きたと想定。2010~12年度の風向きと雨で四季ごとに琵琶湖に最も影響が大きい日を選び、放射性物質のセシウム137とヨウ素131が、そのまま落ちたり、雨などと降下する量(沈着量)を計算した。…
ようやく試算の答えが出てきた、若狭の原発でフクイチ級の事故が起きた時の滋賀県ではなくてびわ湖への影響。
そもそもこういうデータは、原子力発電におけるリスクマネージメントの一環として国というか原子力ムラと電力会社がきっちり算出して原発周辺地域に提示しておくべきものだったと思うのですが、それを放ったらかしにするわ、その状況で避難計画立案を自治体に押し付けるわ、という流れの中で起きたのが311とフクイチ事故というわけで。
フクイチ事故発生当時のSPEEDIのデータを国民にはトラブルと称して隠蔽していたくせにアメリカにはしっかり提供していたという状況を受け、自分たちで予測をシミュレーションして公表した我が家からそう遠くないところにある滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの担当者各位の努力とそれを後押ししていた(はずの)嘉田知事の根性については私は支持をしているわけですが、今回の結果は今私たちが置かれている状況の指針とするには残念ながらそれでも不充分だと思います。
琵琶湖の周囲は約235km、そしてそこに溜まっている水の量は容積275億m3もあり、時々刻々と上下左右に動き入れ替わっているわけで、それを考慮した次の試算結果、そして琵琶湖に住む生物たちへの影響も検証していかなくてはいけません。
それに、びわ湖だけではなくて、そこに流れ込む大小さまざまな河川や、びわ湖本体の周りに点在する小さな湖(内湖)への影響も今回の試算への変数となり得ます。・・・こう考えるといくら研究センターの人たちが持てるリソースと時間を目いっぱいつぎ込んでも、精度はどうなんやろと思ってしまいますが、今はないよりマシやろ、というところでしょう。
安曇川河口付近に放置されたままになっている福島県からの瓦礫の扱いからしても、国というか原子力ムラの姿勢というのは311直後から変わってはいません。そういう連中が性根を入れ替えて、福島県のために日本のために私たちと子々孫々の世代のために真摯に取り組んでくれるのはいつの日のことでしょう?
(MSN産経サイトから↓)
原発事故試算 近畿の水がめ、取水停止も
京都や大阪に広く飲み水を提供し、「近畿の水がめ」といわれる琵琶湖。滋賀県が18日、福島第1原発事故と同程度の事故が福井県の原発で起きた場合の琵琶湖の影響を発表したことについて、水道事業の担当者は「適切に対応したい」と答えるにとどまった。
大阪市を除く大阪府内42市町村で構成する大阪広域水道企業団は、大阪府枚方市の磯島取水場で放射性物質が検出された場合、セシウムについては沈殿処理、ヨウ素は粉末活性炭の注入などを行って一定程度除去できる。
ただし完全な除去はできない状態という。…
[2013/11/19追記]
(京都新聞サイトから↓)
琵琶湖汚染予測 基準超10日間、水備えを
福島第1原発事故並みの深刻な事態が福井県の原発で発生した場合、滋賀や京都など4府県の水源である琵琶湖が汚染されるとの影響予測を滋賀県が18日、公表した。県内の市町や琵琶湖疏水を利用する京都市は、緊急時に安全な水を確保するための対策を再点検する方針だが、有事の備えや漁業への影響を懸念する声も出た。…
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